もし、あなたがその場にいたら。

いじめの場面で、多くの人が「見て見ぬふり」をしてしまう。それはなぜなのでしょうか。このページでは、その心の仕組みを解き明かし、私たち一人ひとりに何ができるのかを一緒に考えます。

学びを始める

いじめを取り巻く4つの立場

いじめは「いじめる側」と「いじめられる側」だけで起きているわけではありません。そこには「観衆」と「傍観者」という、大きな影響力を持つ存在がいます。下の図の各立場をクリックして、その役割と心理について学んでみましょう。

立場を選択してください

各役割がどのような心理状態にあるのかが表示されます。

被害者
加害者
観衆
傍観者

なぜ、見て見ぬふりをしてしまうのか?

「止めたい」と思っても足がすくむ。その背景には、誰にでも起こりうる心理的な「壁」があります。カードをホバー(スマホではタップ)して、その正体を探ってみましょう。

👥

責任の分散

"誰かがやるだろう"

周りに人が多いほど、「自分じゃなくても誰かが助けるはず」と思い、一人ひとりの責任感が薄れてしまう心理。

🤔

多元的無知

"みんな平気そうだし…"

本当は多くの人が「おかしい」と思っていても、誰も行動しないのを見て「自分だけが気にしすぎ?」と勘違いしてしまうこと。

😨

報復への恐れ

"次は自分がやられるかも"

助けに入ったら、今度は自分が標的にされるかもしれない。仲間外れにされたくないという強い不安。

🧐

評価懸念

"でしゃばりだと思われたら…"

「余計なことを」「大げさだ」など、周りからネガティブに評価されるのが怖くて行動できない心理。

状況の曖昧さ

"これっていじめなの?"

「ふざけてるだけかも」「冗談かもしれない」と、いじめかどうか確信が持てず、介入をためらってしまうこと。

😔

罪悪感と無力感

"何もできなかった…"

見て見ぬふりをした後、「何かできたはずだ」という後悔や自分を責める気持ち。しかし、その場では動けない無力さを感じる。

あなたの選択が、未来を変える

傍観者の「行動」と「無行動」。その小さな違いが、いじめの状況に大きな影響を与えます。下のスイッチを切り替えて、その違いを確かめてみてください。

無行動 行動

無行動がもたらすもの

  • いじめの深刻化:加害者の行為が許されていると誤解させ、いじめをエスカレートさせる。
  • 被害者の孤立:「誰も助けてくれない」という絶望感を強め、心に深い傷を負わせる。
  • 自分の罪悪感:見て見ぬふりをしたことが、後々まで心の重荷としてのしかかる。

傍観者から、勇気ある「仲裁者」へ

直接止めることだけが勇気ではありません。あなたにもできる「小さな一歩」がたくさんあります。それは、いじめをなくすための大きな力になります。

あなたにもできる、具体的なアクション

  • 🤝
    被害者に寄り添う

    「大丈夫?」と声をかける、隣に座る、話を聞くだけでも大きな支えになります。

  • 🗣️
    話題を変える

    いじめが始まりそうな雰囲気になったら、全く違う話をして空気を変える。

  • 👥
    仲間を増やす

    信頼できる友達に「あの状況、おかしいと思わない?」と相談し、一緒に行動する仲間を見つける。

  • ✍️
    記録する

    いつ、どこで、誰が、何をしたか。メモに残すことが、後で大人に相談するときの重要な証拠になります。

一人で抱え込まないで、相談する勇気

自分の安全を守ることも大切です。危険を感じたり、どうすればいいかわからないときは、信頼できる大人に相談しましょう。それは「チクリ」ではなく、問題を解決するための賢明な行動です。

  • 👨‍🏫学校の先生、スクールカウンセラー
  • 👨‍👩‍👧‍👦お父さんやお母さん、家族
  • 📞専門の相談窓口(次のセクションで紹介)

相談するときは、「匿名でお願いしたい」と伝えることもできます。あなたのプライバシーは守られます。

いつでも、あなたは一人じゃない

いじめで悩んでいるあなたへ。話せる場所が、ここにあります。秘密は守られるので、安心して相談してください。保護者の方も利用できます。

📞

24時間子供SOSダイヤル

文部科学省: 0120-0-78310 (24時間365日対応)

💬

こどもの人権110番

法務省: 0120-007-110 (平日8:30-17:15), LINEやメールでも相談可

📱

チャイルドライン

NPO法人: 0120-99-7777 (毎日16:00-21:00), 18歳までの子ども専用

👮

警察の少年相談窓口

各都道府県警察: #9110 または最寄りの警察署へ